2013年7月2日放送のNHKクローズアップ現代で、国内の2800万人が腰痛に苦しんでいることが、厚生労働省の全国調査で判明し、その8割以上が原因不明であることが放送されました。
番組ではその原因は、ストレスによる脳の機能の変化にあると紹介していました。
でも、ストレス社会の中、同じような状況にあってもすべての人に腰痛があるわけであはありません。
腰痛に苦しむ人が知りたいのは、自分の腰痛の原因であり、その解決法です。
一人ひとりの原因と解決法を見つけ出すには、医学や医療で行っている画一的な取り組みではなく、その人(自分)を研究するという取り組みが必要だと、当スクール学長の伊東聖鎬は40年以上に渡り、医師、歯科医師等の医療者に訴え、指導を行なってきました。
2017年4月3日
大阪で開催された、読脳アカデミー・CWインターナショナルスクールの講義の中で行われた腰痛への取り組みをご紹介します。
スクール生Hさんは、60代の美容師です。
20年来の何度も繰り返す腰痛に悩んでいました。
レントゲンの結果、ヘルニアと診断されたそうです。
病院で神経ブロック注射を勧められたけれども、対症療法でしかないので
根本原因は何なのかを知りたいというということでした。
病院で良くならない腰痛、一体どうしたら?
ヘルニアに限らず、脊柱管狭窄症なども同様で
手術したけれども良くならないという人は、当スクールが開催しているワークショップ参加者の中にも多くいらっしゃいます。
手術は成功したと言われたけれど、良くなっていない、ということは
腰(患部)に原因があるわけではない、と考える方がスムーズではないでしょうか。
では原因はどこに?
Hさんの腰痛の原因を読脳すると、
右足小指の第5指中足骨、という支持骨のトラブルだと分かりました。
そのトラブルがなぜ腰痛を起こしているのか読脳で探求すると、
●腰痛を起こした原因
第5指中足骨のトラブル⇒距骨がずれる⇒脛骨(すねの内側の骨)がずれる⇒腎臓に影響⇒大腰筋に影響⇒腰椎がずれる⇒腰痛
このような流れで腰痛を起こしたということが分かりました。
さらに別の見方をすれば、これは読脳だからこそ分かることなのですが、
腰椎がずれる(腰痛が起こる)ことで、一番の原因、第5趾中側骨(支持骨)のトラブルを修復しようとしている、ということも分かりました。
支持骨は、ゆらぎが入ってくる入り口です。
ゆらぎは、支持骨から体内に入り脳に届く、存在する意味・理由・必要という自分にとって重要な情報です。
支持骨にトラブルが起こるということは、自分に必要なゆらぎ(情報)が入ってこないということですから、自分にとって一大事です。
脳はこの一大事を修復するために、腰椎をずらしたということが分かりました。
ですので、治療をせずこのままの状態でいても、
2週間後には支持骨のトラブルは修復されてなくなるとのこと。
人の身体ってすごいですね。
でも、最初に戻ればなぜ支持骨はずれてしまったのでしょうか。
支持骨がずれた原因は?
ユーチューブ動画でも臨床の様子をたくさん紹介していますが、
症状の原因のほとんどは支持骨のトラブルでした。
でもさらに掘り下げていくならば、
支持骨がトラブルを起こす原因があるはずです。
Hさんの場合、支持骨がずれた原因は何だったのでしょうか。
ワークショップとは違い、スクールは読脳を学び、求めている人に協力できるようになりたいという指導者を育成する場です。
受講生の脳はさらに知りたい!と探求脳になっているので
読脳でさらに深めていきました。
それは、支持骨がずれる必要があったのだと読み出しました。
支持骨がずれるということは、ゆらぎが入ってこないこと。
Hさんにとってゆらぎが入ってこない、ということが必要だったのです。
一体なぜ?
人は本来の自分であることを願いながらも
事情・状況の中で、情報を取捨選択しコントロールしているというのです。
けれどもやはり、
支持骨がずれて、必要なゆらぎが入らないということは、
本来の自分を見失ったまま生きている訳ですから当然その問題は出てきます。
症状(腰痛)に振り回されている間に、支持骨がずれた本来の問題を受け止めることができる状況になる時、つまり、支持骨からゆらぎが入ってきても大丈夫な状態になっていれば、症状はなくなるのだそう。
人の脳ってすごい!
そして、これは医学や医療のカテゴリーではないですね。
読脳は、人を知る、自分を知るための探求なんです。
そして、その探求のテーマとして病気や症状はやりやすいのです。
ここでHさんが鋭い疑問を投げかけます。
Hさん
「それは本来の問題から逃げているということになりますか?」
伊東
そういう言い方もありますね。
ある視点でみると、「逃げている」と言えるし
別の視点で見ると、「それは必要だから痛みがあるんです」とも言える。
いろんな立場で、いろんな言い方ができるんです。
そしてどれも間違っていない。
どの視点で見るかは
どの立場を設定するかということなのです。
読脳するということは、痛みがあるから取る、という視点ではないということです。
ここがほかの治療者とまったく違う立場。
読脳する側、される側がどの設定をするか、ですね。