ヒューマンエネルギー研究所

第4章 赤ちゃんはセンサーを持っている

 
昔の時代の話はそうですが、筋を変えて別の話をしたいと思います。
動物たちの話です。
動物の一番の関心事は生き残ることであり、そのためには「食べる」ことと「身を守る」ことです。
この2つが、相反する事態を招くこともあります。
「食べ物を探して獲物を求める」
鳴き声や物音を聞くわけでもなく、足音が聞こえたわけでもなく、匂いがしたわけでもないのに、相手の居所を突き止めることができるのです。
それは、さまざまな動物の波長をキャッチすることができるからです。
それらの動物は、それぞれの種類の違う相手が持っている波長をキャッチできるセンサーを、もちあわせているのです。
海にすむイルカや、クジラも同じです。
何kmも離れた所からでも、適確に獲物をとらえることができるのです。その間には、さまざまな障害物があるにもかかわらずです。
目的とした目標を、キチッととらえることができるのです。
大草原にすむ肉食の動物は、何日も前から草食動物がいつどこを通るのかを知っていて、先回りして待ち伏せしたりもするのです。
そんなことは、海にすむ生き物も、陸にすむ生き物も、多かれ少なかれ同じような能力をもっています。
人間は、どうでしょう。
人間も、同じ陸にすむ動物です。
同じような能力があっても、おかしくはありません。
人間も動物の端くれ、多かれ少なかれ、波長をキャッチするセンサーが備わっているはずです。
どんな人が、どんなセンサーを持っているのか。
そんなことが分かれば、たいへん面白いと思います。
どんな生き物もそうですが、能力の高いものと低いものがいるのは当然です。
動物の世界では、獲物を嗅ぎ分ける能力(どこにいるかだけではなく、何匹いるのか、オスかメスか、子供か、弱っているのか等)に優れているものは、その係りを受けもち、捕らえる能力の高いものはその係りを受けもっているのです。
人間も、まちがいなく多かれ少なかれこれと同じようなことをしているはずです。
人間が作る社会にあってそれぞれの分野で優秀な人が活躍する、あるいはその役割を担っている。まさに、そのままです。
ところが、そんな能力が社会生活をする上でそれほど役に立たないと判断された能力(時代や国や地域によっても違う)も、たくさんあるのです。
また、年齢もあります。
大人だけでなく、子供が持っているその児だけの、特殊な優秀な能力だってあるはずです。
そんな子供の能力を研究し、科学に利用してきた国や研究機関もあるのです。
「知る人ぞ知る」です。
それだけではありません。

 赤ちゃんが、すでにそんな能力を発揮することがあります。
授乳中の母親の感性がよければ、そんなことに何度も出会うはずです。
私は授乳中の母子を対象に、「赤ちゃんの信号をキャッチする」という講演やセミナーを各地で行ってきました。

自分の能力を生かし、政治や経済、科学、医療、教育の分野で活躍してきた人はごまんといます。
そんな大人は、突然そんな能力が出てきたのでしょうか。
そんなことはありません。
でもなかには、「ある年齢になって突然開花する能力」もあります。
しかし多くの場合は、子供の頃からもっていたものです。
ではその子供は、いつからもっていたのでしょう。
子供は、赤ちゃんの時からもっていたに違いありません。
ではその赤ちゃんは、どうしてもっていたのでしょう。
大草原の動物も、大海原の魚達も、成長する段階で身につけていったのでしょうか。
生まれてから身につけるものは、「教育」や「躾」によってです。
私がここでいっているのは、そうでなく、もともとその動物が、あるいはその固体がもっている、「センサー」の話しをしようとしているのです。
「他の仲間が持っていない能力」を、いっているのです。
だから「特別」「優秀」と、いっているのです。
ということは、どの赤ちゃんもその前からもっていたことになります。
赤ちゃんは、いつもったのでしょう。
生まれる前―では胎児の時でしょうか。
そうじゃありません。
もっと前です。

●赤ちゃんと無限・地・空・天・天才

 波長にはさまざまなものがあります。
その波長をキャッチする能力の話をしているのですが。 
少し方向を変えてみてください。逆から見れば、「その波長の先にその赤ちゃんがいる」ということになるのです。
その「波長と胎児の間は、無限」なのです。
その「無限を空間」と、いいます。
この「空間」は、どこにあるのでしょう。
それは「地」でもあり、「天」でもあり、「空」でもあるのです。
「彼らは空を仰いだり、空間に何かを尋ねたり、地面に何かをブツブツいっていた」とありました。
そうです。彼らは、「自分の波長が来る方向」へ向いていたのです。
その方向が「空」であり、「天」であり、「地」だったのです。
そんな自分だけの波長がやってくる「空間―天」。
そして、その「波長の発信元」があるのです。
それを私は、「その人の一番最初、つまり元」といっているのです。
そうです。どんな人も、どんな動物も、すべてこの「元」から信号がきているのです。
そして「自分たちの存在のスタートも、そこから始まった」のです。
そんな「自分だけの波長をキャッチできるセンサーをもった人」を、天才と呼んだりしているのです。
だから、天才はあちこちにいるのです。
あなたの周りにも、何人かいるはずです。
そして、あなたもひょっとして、天才かもしれません。
「天才は特別な人」ではなく、「特別な波長をキャッチする人」だったのです。
しかし、天才と呼ばれるのは、時代や政治、経済、宗教までもが複雑にからまって、その状況、情勢で決まるようです。だから今、天才と呼ばれなくても、情勢が変われば突然天才呼ばわりされることもありえます。